餌付け防止と被害防止対策

2015年7月28日

野生動物への餌付けはやめましょう!

 人里や集落地におけるツキノワグマやサルなど野生動物と人とのあつれき(農林業被害、人身被害など)が大きな問題となっています。
 このようなあつれきが生じている背景には様々な理由が考えられますが、大きな要因の一つとしてクマやサルなどの野生動物に食べ物を与えたり、意図せずゴミなどを放置することで、野生動物がそれらの食べ物に依存してしまい餌付け状態となり、その結果人里に出没し被害が発生していることが考えられます。
 野生動物と人がうまく棲み分け、共存していくために、野生動物の生息地やその周辺ではクマやサルなどの野生動物を人里におびき寄せないよう対応が必要であることから、次のことを徹底しましょう。

○野生動物には餌を与えない!

○人家・農地で餌となるものを置かない、食べられる状態にしない!

  • 人家周辺にゴミを放置しない(改良ゴミ箱の使用等。)
  • 農作物は収穫時期に達したら早めに収穫する。
  • 農地での収穫残渣を放置せず、適切に処分する。
  • 収穫済みの農作物は、クマやサルの手が届かない場所に管理する。
  • 農地の周囲等に電気柵等を設置し、クマやサルが侵入しにくくする。
  • 農地の周囲に柵を設置するときは、柵からクマやサルの手が農作物に届かないようにする。
  • お墓のお供え物は持ち帰る。
  • 田畑の周辺にあるカキやクリなどの実のなる木、サルが移動の際に好んで使う木の枝など、クマやサルが食べたり、利用しているもののうち不要なものを除去する。
  • 田畑の周辺(後背林地や耕作放棄地なども含め)の雑草、藪などについて、刈り取りを行うことで、田畑の周辺の見通しをよくする。

○野生動物の生息地に餌となるものを残さない!

  • ハイキングやキャンプやバーベキューなどでは、生ゴミ等は持ち帰る。
  • 廃棄農作物等を山などに投棄しない。

○農作物等を食べているのを見過ごさない!

  • 発見したらすぐに追い払う(ただし、クマのように危険性があるものは、注意が必要です。)

クマに対する被害防除対策について

1 日頃の心構え 「クマを引き寄せないために」

(1)人家の周りに残飯等を無造作に捨てない。
 一般の家ではコンポストの管理をきちんと行う。農家等では廃棄リンゴ等を適切に処分する。

(2)農作物を早めに収穫し、収穫残渣を放置しない。
 農畜産業者は、周囲に餌となるものを置かないよう誘因物となるものを除去し、廃棄農産物を適正に処理する。

(3)キャンプ等での生ゴミ等の管理を徹底する。
 キャンプや登山、渓流釣り等で出た生ゴミ等は必ず持ち帰る。

(4)墓地のお供え物などは持ち帰る。
 山近くにある墓地のお供え物により、クマが誘因されることから必ず持ち帰る。

2 入山のときの心構え 「クマと遭わないために」

(1)クマのいるところに行かない。
 クマの糞、足跡などを見つけたら、すぐ引き返すか、迂回する。山菜採りやキノコ採りで夢中になって山奥に入りすぎない。

(2)突然出遭わないようクマに自分の存在を知らせる。
 クマは、人間より聴覚や嗅覚が優れ、大抵、人より先に人間の接近を知り遠ざかるので、笛、鈴、ラジオ、テープレコーダーなど、音のするものを身につける。

(3)朝夕、黎明薄暮時の行動を避ける。
 朝夕のクマの行動が活発な時間帯は山中に入らない。

(4)単独行動は避ける。
 単独行動はできるだけ避け、2人以上で行動する。

(5)霧、風音、川の流れがあるときは注意する。
 山中でのこのような場面では、クマも注意力が散漫になるため、人の気配に気づかない。

(6)被害歴のある養蜂場、果樹園などで朝夕歩き回らない。
 クマはそこから出て山に帰ろうとしている時間帯であるので危険である。

(7)子グマを見つけたらそっと立ち去る。
 親グマが見えなくても近くにいるので、そっと立ち去る。

3 万一、クマと出遭ったときの心構え  「クマを興奮させないために」

(1)そっと立ち去る。
 遠くにいるのを発見した場合は、あわてず、そっと立ち去る。

(2)興奮させない。
 大声で叫んだり、石や棒切れを投げつけたりしない。

(3)後ずさりしながら離れる。
 クマから目を離さないようにして、できるだけゆっくりと後ずさりしながらクマから離れる。
 クマとの間に立木等の障害物を入れることができる位置に移動することで突進を防ぐこともできる。

(4)走って逃げない。
 背中を見せて逃げると、クマは本能的に襲ってくるので、厳禁である。

※しかし、万全な対策はありません。野山は、クマの生活場所であることを忘れず十分注意し行動しましょう。

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