三閉伊一揆:その3

2015年8月7日

一揆の始まり・目的

三閉伊一揆:一揆の始まり・目的

  この地で暮らしを立てる農民たちは、厳しい自然環境のもと、努力と忍耐と精神力を持って自らの生活を切り開いていかねばなりませんでした。雨とヤマセの霧が続き、気温は上がらず、日照もない。そんな飢饉の年には草木の根を掘り、緑の物を探してはいずり回る悲惨な状態がくり返し起こっていました。

  そのうえ、弱り切った体で、零下10度を超える長く厳しい冬を乗り越えなくてはなりません。泣く子に乳を与えようにも乳の出ない。それが三閉伊の農民の姿だったのです。領主である盛岡藩は、「けがつ」(=飢饉)に苦しむ農民たちを一向に省みず、重税を課すのみだったのです。

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