軍艦「高雄」:その4
2015年8月7日
「高雄」乗員と田野畑の村民
政府軍「春日」は「高雄」に砲撃しますが、応ずる様子はなく、事態を察した乗員は30数名で岸に上がり、陸に逃げた敵兵の追撃を開始します。奥州全域がほ ぼ新政府軍の支配下にある現状で、もはや本拠地函館まで逃げ仰せるものではありません。「高雄」乗員たちは、村の役人らに、艦を捨て山中を辿って逃げてき て、しかも戦意もないことを正直に告げ、南部藩に身を託したい旨を伝えたのでした。
彼らのその穏やかな態度に村人も安心し、また南部藩は最後まで幕府側について新政府と戦ったこともあり共感も持ったと言われています。こうして村人たちは炊き出しをしてもてなし、疲労困憊した「高雄」乗員たちを厚くもてなしたのでした。